アシアナ機事故は手動着陸の「滑走路28」 操縦ミスか(乗りものニュース) – goo ニュース
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4月14日の夜、広島空港で発生したアシアナ航空機の着陸失敗。パイロットの操縦ミスが原因かもしれません。事故機が着陸した「滑走路28」は自動着陸ができない、多少難易度の高い滑走路だからです。
パイロットが最終的に手動で着陸する「滑走路28」
2015年4月14日(火)の20時すぎ、広島空港で発生したアシアナ航空162便(韓国・仁川発広島行き、エアバスA320型機)の着陸失敗は、滑走路端に設置されている「計器着陸装置(ローカライザー・アンテナ)」に機体の一部が接触。事故に至ったと考えられ、左エンジンと中央左車輪、左主翼、左水平尾翼の損傷が見受けられます。
広島空港には、3000mの滑走路が東西方向に1本あります。162便は滑走路東側から「アールナブ」と呼ばれる方式で着陸しようとしていました。これはコンピューターのプログラム機能により途中まで自動操縦で降下し、最終的にはパイロットが手動で滑走路に着地させる飛行方式です。人工衛星からの位置情報も使用します。
接触した「ローカライザー」は「滑走路10」、すなわち162便が進入した方向とは反対の西側から着陸する場合に使われる電波装置なので、今回の着陸とは関係がありません。そもそも162便が着陸しようとした方向、東側から進入する「滑走路28」には計器着陸装置が設置されていないため、自動操縦での着陸はできず、コンピューターと手動を組み合わせた「アールナブ」方式が一般的な着陸手順です。そのため162便もこの方式で、最終的にはパイロットが手動で操縦したと考えられます。
山間部にある広島空港は標高が300mと高く、夜間は周辺の明かりが少ないこともあり、安全な着陸には経験が不可欠です。飛行場の状況をしっかり確認するためパイロットは細心の注意を払う必要がありますが、事故当時、機長と副操縦士のどちらが操縦していたかは明らかになっていません。コクピットにいるパイロット2名のうち、操縦を担当しないパイロットも気象状態を窓からチェックし、滑走路に近づく頃には最終着陸コースからずれていないか常に監視するという役割を持っています。
高度が極端に低かった162便
損傷状況から分析すると、おそらく機体が少し左に傾いた状態で「計器着陸装置(ローカライザー・アンテナ)」に接触したと思われます。本来162便が滑走路の正常な位置に着地する、その数秒前の出来事です。
メディア映像ではエンジンのカバーと思われる残骸が「ローカライザー」周辺に飛び散っているほか、エンジンに「ローカライザー」のものと思われる赤い部品が付着。メインギア(主車輪を含む降着装置)も破損した様子で、それで左右ブレーキのバランスを崩したため、滑走路から機体が逸脱して芝地帯に突っ込んだ可能性もあります。
また滑走路の端に設置されている「ローカライザー」に接触したということは、滑走路へ進入する際に機体は、横方向にはずれていませんでしたが、垂直方向にずれていたと考えられます。
本来の滑走路上の「接地点」へ着地するには、高さが約6mある「ローカライザー」の上空を、30~50mの高さで通過しなければいけません。しかし接触したとなると、その高度が極端に低かったことを意味します。
当時の空港は風が弱かったため、一時的に追い風を受けた可能性もあり、その場合は適正なコースを飛行するためエンジンのパワーを減らして速度を再調整するなど、操縦の難易度が上がっていた可能性もあります。またA320型機の着陸寸前の速度は約250km/hですが、実際には向かい風や追い風の影響を受けて、少なからず常に変化します。
ただ、仮に乱気流(突風)や急激な視界の悪化など気象条件が引き金になったとしても、状況を瞬時に判断し、「着陸やり直し(ゴーアラウンド)」をするなど、適切に対処を行うのがパイロット。今回それがどうなっていたのか、問われることになるかもしれません。
(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)