イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件で、日本政府は24時間態勢で、ジャーナリストの後藤健二さん(47)の救出に全力を挙げている。世界各国が協力を申し出るなか、日本の一部野党議員や識者らが事件を「安倍晋三政権攻撃」に利用しているうえ、日米情報当局が追う、イスラム国への“情報協力者”の存在が浮上している。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。
「残虐非道なこのテロ行為、断じて許せない暴挙だ。強く抗議する。日本は決してテロに屈することなく、国際社会と連携して世界の平和と安定のために、積極的に貢献していく。日本人の解放に向けて、世界各国と連携しながら、すべての手段を尽くしていきたい」
安倍首相は26日午前の自民党両院議員総会で、怒りを押し殺した表情でこう語った。
ご承知の通り、イスラム国による日本人殺害脅迫事件は重大局面を迎えている。24日夜、湯川遥菜さん(42)を殺害したとする画像がインターネット上に流れ、後藤さんに英語で新たな声明を読み上げさせた。
卑劣にも、イスラム国は後藤氏に「安倍首相が湯川さんを殺した」と言わせ、命乞いまでさせ、後藤氏の解放条件を2億ドル(約236億円)から、ヨルダンが拘束するイラク人女性死刑囚の釈放に切り替えたのだ。
イスラム国は、日本政府をはじめ、国際社会のあらゆる呼び掛けを無視した。昨年6月に国家樹立を宣言してから5カ月間で、約1500人をシリアで処刑したと伝えられる。人間の命を何だと思っているのか。彼らの悪行を絶対に許してはならない。
こうしたなか、野党の一部議員や識者、市民運動家の中に、イスラム国とまったく同じ言葉を使って、「安倍首相の中東歴訪が事件を引き起こした」「避難民への人道支援は、イスラム国への宣戦布告だ」「責任を取れ」などと、安倍政権批判に利用する輩が出始めた。
愚かというしかない。一体どこの国の政治家、どこの国民なのか。歴史上最も残忍で残酷なテロリスト集団を喜ばせ、事実上、自分がテロに加担していることに、なぜ気づかないのか。
よくお聞きいただきたい。実は、イスラム国は、安倍首相の中東歴訪のかなり前から日本を標的にしていたのだ。以下、複数の日米情報当局関係者から得た驚愕の情報である。
「イスラム国がまだ国家樹立を宣言していなかった2年前、『2020年東京五輪をテロの標的にしている』という情報が入った。それ以降、日本の警察当局は国内に在住する約10万人のイスラム圏出身者の厳重監視態勢に入っている」
「米情報当局は昨年秋、以下のような報告書をまとめた。『世界各国から約2万人がイスラム国に傭兵として参加している。日本人も数人いるとの情報もある。その中の選抜メンバーに母国への帰国、母国でのテロ攻撃の立案、決行が命令された』。各国の危機が高まった」
そして、こう続ける。
「イスラム国は当初、安倍首相の中東歴訪を重要視していなかった。日本国内などの協力者が、歴訪に合わせて『世界が注目するチャンスだ』と入れ知恵した可能性が高い。この人物を絞り込みつつある」
警察当局は現在、皇居や首相官邸、米国大使館、原発施設などの厳重警戒態勢に入った。だが、テロリストとの闘いで最重要視されるのは情報だ。
自民党幹部がこういう。
「安倍首相を支えるべき国家安全保障会議(日本版NSC)が、あまり機能していない。まだ発足1年とはいえ、パイプも少なく、情報も取れない。今回の事件も想定していなかったのではないか。NSCは外務省主導だが、このままでは『無能』といわれかねない」
安倍首相、すべての安全保障体制を立て直すべきだ。
(加賀孝英)
【スクープ最前線】イスラム国テロ、日本国内に協力者か 「東京五輪を標的」情報も (1/3ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
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