「医療ミス」がなんとアメリカ人の死因の第3位であることが判明 – GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20160529-medical-error-death/
最新の発掘調査などにより、ツタンカーメンやクレオパトラ、フランス王の愛人など歴史上の人物の死因が明らかになっていますが、現代のアメリカではなんと「医療ミス」によって毎年25万人が命を落としていて、アメリカ人全体の死因の第3位であるこという調査結果が発表されました。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、2015年に亡くなったアメリカ人の死因と死者数について、1位が心臓病で61万4348人、2位がガンで59万1699人と発表しています。3位は呼吸器疾患で14万7101人ですが、ジョンズ・ホプキンズ大学医学部の研究者であるMartin Makary氏とMichael Daniel氏は、「医療ミスが原因で亡くなった人数の方がはるかに多い」と指摘しています。
しかし、医療ミスによる患者の死亡について、アメリカ政府は認知していません。なぜならば、アメリカ政府が死因の統計に使用している国際疾病分類(ICD)には、「医療ミスによる死亡」という分類が存在しないためです。
そこでMakary氏とDaniel氏は、医療ミスによる死亡率を確かめるため、2013年以降の政府のデータと病院の入院率と比較。すると、1年間に約25万人が医療ミスによって死亡しているという推算結果が出たとのこと。アメリカ人の死因の実に9.5%を医療ミスが占めていることが判明しました。
Makary氏とDaniel氏は、「臨床医は、冠動脈疾患や黒色腫、インフルエンザといった病気の新しい治療法を他の医師と共有しています。同様に、医療ミスのデータが国際的に共有されれば、医療ミスの原因を改善できるでしょう」と主張しています。
一方で、両研究者は「ヒューマンエラーによる医療ミスは避けられないこともあり、医療ミスによる患者の死亡は必ずしも医師の過失ではない」とも語っています。Makary氏とDaniel氏によれば、「医療ミスを記録するための監視システムを導入することで、より有効的で安全なシステムに改良できる余地がある」とのことで、医療ミスを減らす方法として、死亡診断書に「患者は事前の医療で予防可能だった併発症で死んだのか」という項目を増やすことや、医療ミスの調査を病院が迅速かつ正確に行うことを挙げています。
(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)