(ニュース記事)中国が人民解放軍の管轄区統廃合を発表 30万人の兵力を削減予定

中国が人民解放軍の管轄区統廃合を発表 30万人の兵力を削減予定 – ライブドアニュース
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 【北京=矢板明夫】27日付の中国人民解放軍の機関紙、解放軍報などによると、中国の習近平国家主席(中央軍事委員会主席兼務)は26日の軍の重要会議で、人民解放軍の管轄区「軍区」を統合し「戦区」に再編することなどを柱とする大規模改革を実施する方針を表明した。

 軍の近代化を推進するとともに、新しい人材を積極的に登用し軍の掌握を進めたい狙いがあるとみられる。一連の軍改革は2020年までに完成することを目指している。

 同紙によれば、北京で開かれていた中央軍事委員会改革工作会議で同方針が発表された。基調講演を行った習主席は「人数や規模を重視する軍隊から質、効率を重視する軍隊への転換を推進する」と強調した。東シナ海と南シナ海で米国や東南アジアとの緊張が高まっていることを念頭に、陸軍を中心とした現在の軍構成を改め、海、空軍の戦闘力も強化。陸、海、空に戦略ミサイル部隊の第2砲兵も加えて4つの軍の指揮系統を一本化し、「統合作戦指揮部」を創設することも明らかになった。

 総参謀部などで構成する軍中枢組織の「4総部」も見直す予定で、陸軍の指揮機構を新設するとされる。

 また、中国軍は現在、地域ごとに全国で7つの軍区が設けているが、それを4から5の戦区に統廃合するとみられる。縦割りをなくして、中央軍事委員会が各戦区に設けられる統合作戦組織に直接命令を下すようにするといい、作戦の指揮能力の向上と運用の効率化を高める考えだ。

 共産党関係者によると、いまのところ、7大軍区のうち、瀋陽、蘭州、済南の三つの軍区を廃止し、南京、成都、広州、北京の4つの軍区をそれぞれ東西南北の4つの戦区に改める案が有力だという。

 しかし、廃止される瀋陽軍区と蘭州軍区は、昨年から今年にかけて失脚した制服組とトップだった徐才厚氏、郭伯雄氏のそれぞれの出身軍区である。この二つの軍区が廃止されることは、粛清的意味が強い。現在の軍指導者の多くは郭、徐両氏の息がかかっており、「粛清は今後も徹底的に続けられる」と受け止められ、多くの関係者は戦々恐々としているという。

 改革とともに、軍縮も同時に進められ、兵力230万人のうち30万人が削減される予定だ。しかし、削減対象のうち、半分以上が将校だといわれている。彼らの再就職は難しいとされる。また、中国では近年、復員軍人に対する社会保障も不十分で、地元政府の財源不足のため復員軍人手当を支給しない現象も各地にあり、元軍人による抗議デモなどが頻発している。軍現場で「政府は私たちの面倒を見てくれるのか」といった不安の声も多い。

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