(ニュース記事)中国のインフラ輸出が世界でトラブル続き 高速鉄道計画が頓挫や延期

【河崎真澄のチャイナウオッチ】中国のインフラ輸出が世界でトラブル続き 高速鉄道計画が頓挫や延期 南シナ海問題のレッテルも痛し (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
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 中国が次なる成長戦略として野心的に進める、高速鉄道計画を中心とした「中国製インフラ」輸出が、世界各地で頓挫や延期などの混乱を引き起こしている。

 「建設に大幅な遅延が生じる」。米ネバダ州ラスベガスとカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ高速鉄道計画(全長370キロ)で、米企業のエクスプレスウエストは6月、中国鉄道総公司が率いる中国企業連合に合弁解消を通告した。

 同プロジェクトは総投資額127億ドル(約1兆3500億円)。昨年9月の習近平国家主席の訪米時に調印した、中国による初の対米鉄道輸出だ。中国側は「無責任だ」と猛反発したが、米国側はすでに新たな合弁相手を探している。

 中国は、日本に競り勝つ形でインドネシアでも高速鉄道計画を受注したが、なんと建設許可も得られない手続き不備のまま1月に着工式に踏み切り、建設遅延など混乱が続く。シンガポールでは納入された都市型鉄道車両のうち、大半でヒビなど重大な欠陥が判明。ミャンマーでは水力発電事業が中断に追い込まれた。

 習指導部は、中国を起点に陸路と海路で欧州までインフラ建設で結ぶ「新シルクロード(一帯一路)」構想を掲げている。需要を無視した過剰生産で積み上がった建設資材も、インフラ輸出と組み合わせれば一石二鳥で解消できる狙いだ。

 昨年12月に発足した中国主導型の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も輸出金融を支える目的だった。だが、そもそもインフラ輸出で経験の少ない中国。にもかかわらず世界各地で一気にプロジェクトを推し進めようとしたため計画遂行はギクシャクするばかり。事業パートナーとして国際的な「信頼」を得られずにいる。

(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)

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