(ニュース記事)【戦争と性犯罪】200万人がレイプ被害-ドイツの経験から考える「慰安婦」問題の異常さ

 「ドイツ女の高慢さを暴力で打ち砕け! やつらは正当な戦利品だ!」

 このすさまじい言葉は、第2次世界大戦中に、ソ連の作家兼詩人であるイリヤ・エレンブルグが書いた文章といわれる。彼は戦後、「ナチスのデマ情報だ」と否定したが、真相は不明だ。

 独ソ戦は両軍が異常な精神状況にあり、「戦利品」とされた両国の女性たちが性的暴行(レイプ)の被害にあった。ドイツ東部では、終戦までに約200万人の女性が性的暴行の被害にあったとの推計がある。

 当時34歳の匿名の女性ジャーナリストの回顧録『ベルリン終戦日記-ある女性の記録』(白水社)という本がある。敗戦後のソ連軍による性暴力を描写しながら、生と死、空襲と飢餓、略奪と陵辱などの極限状況を女性と市民の視点から描いた稀有なルポだ。痛ましいが読み応えがある。

 同書によると、敗者であるドイツ人は、勝者の横暴、性暴力に何もできない。そして、感覚がおかしくなっていく。飛び降り自殺をする少女や、幼児と無理心中をする母親がいた。

 一方で、状況を受け入れる人もいた。空襲による死の恐怖が去った喜びを、ある女性は「頭上の米軍より、腹の上のソ連兵の方がまだましよ」と表現した。アパートの大家は性的暴行を受け続ける筆者に懇願した。「食べ物をもらって」と。筆者もソ連軍少佐の愛人になり、兵士からの暴力を避けた。

 この本が1960年代に西ドイツで発表されると、感情的な反発がドイツに広がり、匿名の批判投書が出版社に押し寄せ、作者探しが始まった。ショックを受けた作者は本を絶版し、スイスに移住した。作者が亡くなった2006年に再刊され、米英独でベストセラーになった。

 東西ドイツでは、性暴力の被害を「触れてはいけない話」として封じ込め、無言のまま忘却が奨励された。さまざまな理由が入り交じっているのだろう。被害に会った女性たちへの配慮、守れなかった男たちの懺悔、家族の苦しみへの同情…。ドイツ民族が抱いた屈辱感、トラウマを隠そうとした意図もあるだろう。

 各国の歴史書を読むと、旧ソ連、欧州諸国、中国でも、第2次大戦における性犯罪被害者への対応で、同様に「封じ込める」傾向がある。それが良いか悪いかは人によって考えは異なるだろうが、そうせざるを得ない難しい問題なのだ。

 振り返って、慰安婦問題を考えてみる。

 元慰安婦という韓国女性はメディアに顔を出し、被害を訴え、日本を糺弾する。周囲の関係者の行動も疑問だ。ある野党幹部は1990年代、元慰安婦らをメディアに「見せ物」のように引き回していた。

 朝日新聞は、吉田清治氏の「韓国・済州島で慰安婦狩りをした」という虚偽証言を、82年から16回も取り上げてきた。吉田証言は、国際社会で日本と日本人を貶める証拠だった。朝日は32年後の5日になって、やっと誤報を認めた。

 米軍は44年、ビルマ(現ミャンマー)で朝鮮人慰安婦20人から尋問した調書に「慰安婦=戦時売春婦」と記している。性犯罪被害者とは同一視できないが、慰安婦問題で被害を叫ぶ人々の姿は異様だ。女性を目立たせようとするのだ。こうした人々と、私たち日本人は向き合わねばならない。うんざりする。

【戦争と性犯罪】200万人がレイプ被害-ドイツの経験から考える「慰安婦」問題の異常さ (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140808/dms1408081140010-n1.htm

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