(ニュース記事)トランプ氏「韓国を守る必要ない」 朴政権の二股外交に強い不信感 日本批判も

トランプ氏「韓国を守る必要ない」 朴政権の二股外交に強い不信感 日本批判も (1/3ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
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 来年の米大統領選に共和党から名乗りを上げた不動産王、ドナルド・トランプ氏が、韓国をこき下ろしている。米韓の軍事協力に絡み、「米国は韓国を守る必要がない」などと繰り返し主張しているのだ。共和党の指名争いで台風の目となっている注目候補から「韓国放逐論」が飛び出した背景には、米中間で「二股外交」を繰り広げる韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権への、米国民の不信感が垣間見える。朴氏は中国の軍事パレードを参観する決断をしたが、怒りを倍増させかねない。

 軍事境界線を挟んで、韓国と北朝鮮が一触即発の緊張状態にあった21日、トランプ氏は米国のラジオ番組に出演して、朝鮮半島情勢について、次のように語った。

 「テレビ4000台を注文した。製品はみな韓国から来る。彼らは莫大な金を得る」「にもかかわらず、米国は軍隊を(韓国に)送り、そこで彼らを防衛する態勢を整える。しかし、米国が得るものは1つもない。これは話にならない狂ったことだ」

 東亜日報などの韓国メディアが、米国内の報道を引用する形で伝えた。保守政党である共和党の候補から、同盟国を突き放すような発言が飛び出すとは注目に値する。

 過激な発言やパフォーマンスで批判にもさらされるトランプ氏だが、注目度は依然として高い。

 CNNテレビが19日に伝えた世論調査結果によると、共和党の立候補者ではトランプ氏の支持率が24%で最も高く、2位のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(13%)を引き離している。

 トランプ氏が強い理由としては、圧倒的な知名度がまず大きい。加えて、問題発言を含めてメディアやネットで数多く取り上げられているうえ、「愛国者」のイメージを前面に出して「強い米国の復活」を訴えていることも、米国国民の支持を集めているようだ。

 トランプ氏は冒頭の発言以外に、先月のサウスカロライナ州での遊説でも韓国批判を繰り広げた。韓国メディアの報道には、注目候補にヤリ玉に挙げられて歯ぎしりする国内世論がにじむ。

 中央日報(日本語電子版)は今月1日、「韓米同盟をお金で計算するな」と題したワシントン特派員の署名記事で、トランプ氏を名指ししたうえで、「(韓国が)安保は米軍に頼っているという無賃乗車論は、すでに米国で以前から続いてきた主張だ。しかし、なぜ大統領候補という人物の口から出てくるのか、あきれてしまう」「今まで韓国は例外なくほとんどすべての国内外懸案で米国側を後押しした」と論評した。

 行間に動揺を感じさせる記事だが、そもそも、トランプ氏が韓国に矛先を向ける背景には何があるのか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「共和党は財政均衡主義を掲げており、『国外での防衛に無理をして予算をかける必要はない』との考えは支持者の間でも根強い」と指摘し、続ける。

 「こうした事情に加え、韓国に対しては、米中間で『二股外交』を続けていることへの不信感がある。中国が9月に開催する『抗日戦争勝利70周年記念行事』をめぐっても、韓国の朴大統領は、参加を求める中国と欧米諸国との間でフラフラしていた。大体、中国は、米軍に多大な犠牲が出た朝鮮戦争に事実上参戦し、米韓軍と戦った国だ。『中国に傾斜する国を守るために、なぜ軍事的にコミットメント(関わり)を持たなければならないのか』というのが米国民の心情だ」

 トランプ氏が共和党の指名争いを勝ち抜くかどうかは不透明だが、その主張は、多くの米国民が抱く「韓国観」と一致しており、それゆえに「イロモノ的ではあるが、人気が衰えない」(藤井氏)というわけだ。

 朴氏は、米国の慎重論を蹴飛ばすかたちで、中国が9月3日に北京で行う「抗日戦争勝利70周年記念行事」の軍事パレードを参観することを決めた。今後、この件に対する、トランプ氏の直言が注目されそうだ。

 ただし、トランプ氏は中国や日本に対しても、批判を口にしている。

 米CNNテレビのインタビューでは、「米国は、中国に雇用とカネを奪われている。(最近の)株価下落は中国のせいだ。市場は崩壊しつつあり、これは中国とアジアに主導権を握らせたからだ」と発言。

 アイオワ州での集会(25日)では「日本が攻撃されれば、米国は助けに行かなければならない。だが、われわれ(米国)が攻撃を受けても、日本は助ける必要はない。日米安保条約は不公平だ」と語った。

 前出の藤井氏は「日本の防衛に米国を巻き込む以上、日本側に貢献が求められるのは当然だ。安全保障法制の整備は、この現状を改めるための第1歩でもある。トランプ氏が述べたような問題提起に対しては、『その通りだ。日本は現在、安全保障の双務性を高めようと法整備に努力している』と堂々と応じればいい」と語っている。

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