(ニュース記事)「グローバリズムの優等生」の韓国 財閥が潤う一方で平均賃金は下落…

【断末魔の中韓経済】「グローバリズムの優等生」の韓国 財閥が潤う一方で平均賃金は下落… (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150225/frn1502251140001-n1.htm

 2015年2月23日。14年間続いた日韓の「通貨スワップ(交換)協定」が終了した。誤解している人が多いが、通貨スワップとは、例えば韓国が通貨危機に陥った際に、「日本が韓国に融資する」という話ではない。事前に定められた為替レートで、韓国ウォンを「両替」してあげる(日本側から見れば)という内容である(23日終了の日韓通貨スワップは、日本側が『ドル』と両替する、というものだった)。

 最近の韓国は経常収支黒字が継続し、外貨準備も2014年末時点で3636億ドル(約43兆2700億円)と積み上がっていることから、韓国政府は「韓日通貨スワップを延長しなくても関係ない」と自信を見せている。とはいえ、韓国が通貨危機時の保険を1つ、失ったことは間違いない。

 もっとも、現在の韓国が抱える「経済問題」は、通貨危機というよりは「国民の貧困化」である。信じられないかもしれないが、現在の韓国は日本をはるかに上回るハイペースで平均賃金が下落していっているのだ。

 直近のデータ(14年4月時点)を見ると、韓国の常用勤労者5人以上の事業所において、勤労者1人あたりの月平均賃金は、前年同月比で8・5%も下落した。(韓国雇用労働部『14年3月基準事業場労働力調査』による)物価変動を除いた実質賃金で見ると、前年同月比9・4%の下落だ。

 興味深いことに、サムスン電子、現代自動車、SKという韓国の大財閥の財閥オーナーへ支払われる配当金は、前年比で55%も増加している。勤労者の賃金がマイナスで推移する反対側で、財閥オーナーの資本収益率は上昇している。まさに、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏のいう「r∨g」の環境が、韓国において「激しい形で」実現していることが分かる。韓国では「持続不可能な形」で格差が拡大していっているのだ。

 ちなみに、過去1年間に「貧困のため、食料を買えなかった経験」を持つ人の割合は、日本が2%(13年、以下同)であるのに対し、韓国は何と26%だ。中国(8%)よりも多いわけだから、半端ない。

 困ったことに、韓国国民の貧困化は、同国の財閥企業にとっては僥倖(ぎょうこう=幸運)だ。何しろ、韓国人が貧困化し、賃金水準が下がれば、グローバル市場における価格競争力は高まる。特に、円安ウォン高の環境が継続している現在、韓国の大手企業は可能な限り「人件費」を抑制したいところだろう。

 筆者は韓国を「グローバリズムの優等生」と呼んでいる。自国の「国民」ではなく「グローバル企業」を優先した国の行く末がいかなるものになるか。今後の韓国がわれわれ日本国民の前に示してくれるだろう。
(三橋貴明)

(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)

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