(ニュース記事)【中国】2015年に悪夢の「文化大革命」が再び起こる可能性

 今の中国はとても気持ち悪い国になっています。

 12月26日は毛沢東の誕生日だったのですが、「毛沢東の生誕を祝おう」という書き込みが中国のネット上で渦巻きました。習近平が主席に就いてから、とみに見受けられるようになった毛沢東賛美。5年前だと考えられない話です。

 毛沢東は、大躍進政策の失敗による大飢饉や、文化大革命(1966年~1976年)を引き起こしました。その死者は6000万人とも言われています。30代以上であれば、親の世代から聞いてそのことは知っていますが、10代、20代の若者は、親も文革を経験していないため、毛沢東の悪行はろくに聞かされていません。

 歴史の授業でも文革についてはほんの数行でしか記されておらず、しかも毛沢東の失政ではなくて、四人組の責任に転嫁されています。

 習近平が毛沢東に憧れていることは日本でも報道されているので、ご存知の方も多いことでしょう。習近平は毛沢東語録を真似て習近平語録(『習近平の治国と理政』)を作ったり、毛沢東を真似て文化人を集めて文芸講話をやったりと、毛沢東の物真似ばかりしています。

 少なからず歴史を知っている人であれば、あの最悪だった時代を繰り返そうとしているように思えます。

 2015年の中国は、ズバリ、そんな暗黒時代がさらに再現され、中国の言論人や表現者が続々と粛清されることでしょう。そして、毛沢東記念日が生まれ、毛沢東の銅像が街のいたるところに立ち、中国は、北朝鮮のような全体主義化の道を歩んでいくのです。

2015年は中国社会の分岐点

 そもそもなぜ、国民は、毛沢東の再来を望んでいるのか。それは、強い中国になってほしいからです。

 毛沢東は欧米や日本といった侵略国を中国から追い出し、中華人民共和国を建国した偉人だという認識で捉えられています。その後、中国は、飢饉と文革による地獄に突入したのですが、今の若者はその成り行きを正確に認識していません。

 そしてお年寄りはお年寄りで、もはや圧政に慣れきっていて、民主などの夢も持っていません。さらに限界まで進行した歪な格差社会。こうした全ての状況が毛沢東の再来を後押ししているのです。

 毛沢東が強い中国を作るために何をやったかというと、自身の好まない文化の破壊、先進的な考えを持つ者を虐殺、チベット民族を始めとする少数民族の弾圧、排外主義、宗教弾圧……などでした。

 同様のことはすでに起こっています。ネットの言論弾圧はますますひどくなり、微博で500回以上リツイートされてそれがデマだったら逮捕されるという法案も生まれました。街中には無数の監視カメラが設置され、反政府の者たちがいないか見張られています。あのチクリ社会である文革と同様の状況です。息をつく暇もありません。

 表現規制も同様です。習近平が主席に就いてからというもの、エンターテイメントの分野では、濡れ場規制に始まり、ゲームキャラクターがミニスカート禁止、胸チラ禁止、男女の接触禁止、腐女子作家の逮捕、同性愛作品の粛清……など規制が強まっていきました。これは僕のような漫画家にとっても由々しき問題です。

 それでもなおかつ、自身の表現を貫きたいという表現者や、言論人たちは、今後、続々と拘留されていくことでしょう。先日は日本に亡命している変態唐辛子こと、王立銘先生をインタビューしましたが、王先生のように亡命する表現者は、今後、ますます増えていくはずです。

 ですが、こんな状況を黙って見つめるわけにはいきません。僕自身の2015年の抱負は、中共から弾圧された表現者や言論人と一致団結して、全体主義化を強めている中共と対抗し、中国国民や日本にも正しい情報を伝えていくことです。

 2015年の中国は、これから更に地獄に突入していくのか、それとも国民がその危険性に気づいて危機を脱することができるのか、その分かれ目なのです。(漫画家:孫向文)

【中国】2015年に悪夢の「文化大革命」が再び起こる可能性 – DMMニュース
http://dmm-news.com/article/906073/

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