(ニュース記事)移民といっても日本に高度人材は集まらない

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http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20150609/zsp1506091140001-n1.htm

◆移民といっても日本に高度人材は集まらない

 5月23日、ポルトガルで開催された欧州中央銀行の会合で黒田総裁が講演し、「(少子高齢化に伴う労働力人口の減少が)大きな脅威になる」「高齢者と女性の労働参加率を高めることが必要だ」と話しておられました。が、「日本が少子高齢化に伴い労働人口の縮小に直面する」なんて、それこそ’80年代から明確にわかっていたことで、今さらどうしようという議論が出てくること自体、意味不明です。なぜアメリカのように早くから対策を講じなかったのか、非常に不思議です。

 そもそも少子高齢化という言葉自体が変です。「少子」は文字通り子供が減って、若年人口が減るという、まさに人口減。しかし「高齢化」は逆で、これまでなら亡くなっていたであろう年齢のご老人がどんどん長生きしていくというわけですから、これは人口増。まったく逆の意味を同時に使っているという不思議さです。このあたりにも、どれだけみんなが真面目に取り組んでこなかった課題か、ということが明らかですよね。

 しかも、出てくる処方箋が「女性の社会進出」「出生率の向上」「高度技能を持った移民政策の推進」による人口増加。これ、マジでできると思ってるんですかね?

 ■今や中国でも労働人口の減少期に入っている

 女性の社会進出を図ってさらに産めよ増やせよって、女性をなんだと思ってるのか。社会に、子育てをする女性や夫婦を受け入れる許容範囲がない限り、この問題は解決しませんよ。私はアメリカの会社で長く働いていましたが、いざとなったらオフィスに子供を連れてきてみんなで面倒を見るなんてことは、ニューヨークでは普通のこと。読者の皆さまの職場で、これが許されるところはありますか? これだけ見ても日本は子育てに優しい環境ではありません。

 まして足りない保育園をつくろうとすると、子供がうるさいからと近所の住民が反対するなんて、アメリカで聞いたことがありませんわ。むしろ子育てが終わった世代が積極的に子供を預かったりしています。

 それに「移民」といいますけど、インドネシアからわざわざお越しになった看護師さんたちは一体どうなったんですかね。日本語の試験が難しすぎるって、来る前からなんで手を打たないんでしょう。

 そんな状態で高度人材を日本に集めるのは不可能。今や中国ですら労働人口の減少期に入っており、高度人材は既に世界中で争奪戦が始まっているというのに、何を根拠に日本に高度人材を集められると考えているんでしょうか。「移民」の是非を論じる以前に、そもそも日本に高度人材は来てくれません。

 先日、京丹後市で何の根拠もないまま、20年後には人口が増えるというシミュレーションを立てて地方交付金の減額を逃れるという“事件”がありました。言っておきますけど、日本の人口は絶対に増えません。今やるべきことは人口減少を前提としたスリムな行政機構と社会システムを早急につくることで、根拠のない人口増を唱えることではありません。だからといって、経済成長が不可能というわけではないのですから。

 ◆アメリカの「労働力人口」は右肩上がりが続いている!

 「移民政策」や、子育てしやすい社会の実現のために早くから対策をとってきたアメリカでは、長期的な「労働力人口」(15歳以上人口における就業者・休業者および求職中の失業者の人口)の増加が続いている(出所:ILO)
(ぐっちー氏)

(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)

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