ハンガリー、難民流入防止のために国境に強固なフェンスを構築へ – BusinessNewsline
http://business.newsln.jp/news/201608272327570000.html
ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相は27日、現在進められているEUとトルコの交渉が決裂した場合には、スロバキアおよびクロアチアとの間に設置しているフェンスをより強固で容易には潜り抜けられないものとする計画を進めていることを明らかにした。
現在、スロバキアとクロアチアとの国境には不法移民流入防止のための金網によるフェンスが構築されているが、このフェンスは棒などがあれば簡単に潜り抜けることが可能なため、西欧諸国への定住を希望する大量のシリア難民が流入を続けていることが国内での政治問題となっていた。
ヴィクトル首相は同日行った会見において、新しいフェンスはより強固なもので、尚且つ、迅速に構築できるものでなければならいと述べ、トルコとの交渉が決裂して、フェンス構築が決まった場合には、できるだけ迅速に既存のフェンスを新しいものへと置き換える方針を示した。
ヴィクトル首相は先月には、「難民は有毒であり、無用の存在」と述べて物議を醸していた。
ヴィクトル首相は今回、行われた会見では、「入国した難民は強制的に帰還されることになる」とも述べ、どちらにせよハンガリーへの入国は認めないと述べた。
ヴィクトル首相が争点として言及した現在進められているEUとトルコの交渉は、トルコがシリア難民流入のための防波堤としての役割を果たす代わりにEUは経済的な便宜を図ることを決めた、既存の協定の継続に関わるものとなる。これまで、EUとトルコの関係は良好な状態が続いてきたが、今年の7月にトルコで起きたクーデター未遂事件を受けて、トルコのエルドアン大統領が反政府勢力の弾圧や、クーデターに参加した反乱勢力に対しては死刑を復活させてた上で、厳罰に処すとの方針下したことから、EUとの間で緊張関係を募らせていた。
トルコのエルドアン大統領は、EUの批判には応じる用意はないことを表明しており、EUがトルコ批判を継続させる場合には、EUとの間に結んでいる難民協定を破棄するとの方針も示している。
トルコがシリア難民の防波堤の役目を放棄した場合、大量のシリア難民がトルコを素通りしてEU諸国に流入してくる恐れもあり、仮にそのような事態が発生した場合には、EU諸国はかつてない、政治的な大混乱に陥る可能性も生じている。
(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)