【大前研一のニュース時評】米国で蔓延「中国人不正留学」のウラ 8000人が退学処分、33%が不正行為 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160821/dms1608210830001-n1.htm
ウェブメディア「JBプレス」は8日、「米国の大学で中国人留学生の不正が蔓延」と題する古森義久氏の記事を掲載した。それによると、米国に留学する中国人が急増し、それに伴って「不正」を理由に退学になる数も他国の5倍に達しているという。
昨年、米国の大学で約8000人の中国人留学生が退学処分を受けたが、退学の理由の33%が成績や素行不良ではなく試験などの不正行為によるものだ。他国からの留学生や米国人学生の場合、退学の理由が「不正」の学生は5分の1以下だという。
その背景として、中国人学生に向けた学業支援ビジネス、留学代行企業が数多く存在することがあるらしい。さすが中国、といえる話だ。
現在、米国内の2年制大学以上の教育機関で学ぶ外国人留学生は約113万人。そのうち、中国人学生は30万人で断トツだ。2位はインドだが、半分以下の13万人。日本は非常に少なくて1万9000人。中国人留学生の数が増えるにつれ、「留学不正」は一大ビジネスになっている。
そもそも中国国内からして、留学志望学生に向けた「留学申請代行企業」が数多く存在し、中には高校の成績表や大学に提出する論文、推薦状などをねつ造・偽造しているところもある。さらには、パスポートでさえイカサマに取得するケースもある。例えば太平洋の小さな国が、金さえ払えば国籍を与え、米国に自由に入国できるパスポートを斡旋している。
米国では、期末試験などで成績の悪い留学生の代わりに替え玉を仕立てたり、論文執筆や宿題代行などを行うビジネスが盛んになっている。試験会場で替え玉がいても、米国人には中国人がみんな同じような顔に見えるので分からないのだ。
中国社会では、米国で学位を取得すると高い評価が得られる。そのため、イカサマをしようと考える中国人は急増している。「上に方策あれば下に対策あり」の中国ではこの現象はとどまるところを知らない。それがあまりにもひどいため、米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」はこの夏、「このままでは、大学教育の質の低下をもたらす」と警告した。
中国人社会では「MBA(経営学修士)売ります」という会社もゴマンと出てきている。一方、韓国もその一歩手前に近い状態で、非常に簡単にMBAが取得できる学校が多い。その中には、私が学長を務める「ビジネス・ブレークスルー大学」に箔付けのための提携を申し込んできているところもあるほどだ。しかし、授業料があまりにも安く、イカサマだとすぐに分かる。
韓国ではMBA取得が難しい学校と、やさしい学校の差が大きすぎる。中国のようにイカサマはしないが、「こんなに簡単にMBAがとれます」というような学校が非常に増えている。
そんな手段で卒業証書を手に入れた学生が社会に出たとき、本当に自分の力で勝負できるのだろうか。由々しき事態だ。
(一定期間経過後に消えてしまうようなニュース記事を掲載しています。)